共有物分割請求を受けた方へ

共有物分割請求の書類が届いた方へ

裁判所から共有物分割訴訟の訴状や調停申立書が届いた場合、指定された期限までに書面を提出し、期日に対応する必要があります。

また、他の共有者の代理人弁護士や、共有持分を取得した不動産業者から、持分の売却、不動産全体の売却、共有物分割などを求められることもあります。

共有物分割請求を受けた場合、共有状態の解消自体を拒むことが難しいケースがあります。
しかし、不動産を誰が取得するか、いくらで評価するか、任意売却するか、競売を避けられるかなどについては、具体的な事情を踏まえて検討する必要があります。


裁判所から書類が届いた場合は、提出期限や期日を放置しないでください。
訴状、調停申立書、相手方からの提案書などをお持ちのうえ、早めにご相談ください。

このような場合はご相談ください

  • 裁判所から共有物分割訴訟の訴状が届いた
  • 共有物分割調停を申し立てられた
  • 弁護士から共有持分の売却や買取りを求める通知が届いた
  • 知らない不動産業者が共有持分を取得した
  • 現在住んでいる自宅を取得して住み続けたい
  • 不動産を取得したいが、代償金をいくら用意すべきか分からない
  • 不動産全体を売却して代金を分けたい
  • 相手方が提示する不動産評価額に納得できない
  • 自分の持分を相手方へ売却する条件を交渉したい
  • 親族間の対立が激しく、直接交渉を続けることが難しい
  • 共有物分割請求にどのように反論すべきか分からない

裁判所から訴状が届いた場合

答弁書の提出期限を確認してください

共有物分割訴訟の訴状には、第1回口頭弁論期日や答弁書の提出期限が記載されています。

期限までに答弁書を提出せず、期日にも出席しない場合には、相手方の主張を争わないものとして手続が進む可能性があります。
まず、訴状、証拠、期日呼出状などの書類一式を確認する必要があります。

相手方の請求内容を確認します

共有物分割訴訟では、相手方がどのような分割方法を求めているのかを確認します。

  • 土地を分筆する現物分割
  • 一方の共有者が不動産を取得し、他方へ金銭を支払う方法
  • 不動産全体を任意売却する方法
  • 裁判所の競売によって売却する方法

請求書面に書かれた方法だけで解決方法が確定するわけではありません。
被告側からも、希望する分割方法、不動産評価、資力、利用状況などを主張し、和解案を提示できます。

共有物分割請求を拒否できるか

各共有者は、分割をしない旨の有効な合意がある場合などを除き、原則として共有物の分割を請求できます。

そのため、単に「分割したくない」「今の状態を続けたい」という希望だけで、共有物分割請求を全面的に拒否することは難しい場合があります。

ただし、分割方法、不動産の評価額、取得者、代償金の支払方法、売却時期などについては、具体的な事情に応じて主張・交渉する余地があります。

また、相続財産に属する不動産について、共同相続人間で遺産分割をすべき場合には、共有物分割ではなく遺産分割の手続によるべきことがあります。
登記や相続手続の状況を確認する必要があります。

被告・相手方が検討できる主な解決方法

自分が不動産を取得する

現在居住している自宅などを取得したい場合には、自分が不動産全体を取得し、他の共有者に持分相当額の金銭を支払う方法を検討します。

この方法が認められるためには、不動産を取得する合理性だけでなく、他の共有者へ支払う金銭を準備できるか、不動産の評価が適切か、共有者間の公平を害しないかなどが問題になります。

住宅ローンの利用、自己資金、親族からの援助、売却予定資産などを含め、代償金を準備できる見通しを具体的に示すことが重要です。

相手方に持分を買い取ってもらう

不動産を取得する意思がない場合には、自分の共有持分を他の共有者や、持分を取得した不動産業者へ売却する方法があります。

この場合には、不動産全体の評価額、持分割合、利用状況、共有持分だけを売却する場合の価格差などを確認し、売却条件を交渉します。

相手方から提示された価格が当然に適正とは限りませんが、共有持分だけの市場価格が、不動産全体の価格を持分割合で単純に按分した金額と一致するとも限りません。
複数の評価資料を比較する必要があります。

共有者全員で任意売却する

誰も不動産の取得を希望しない場合や、代償金を準備できない場合には、共有者全員で不動産全体を任意売却し、売却代金を分ける方法を検討します。

任意売却では、売出価格、不動産会社、売却時期、最低売却価格、費用負担、明渡し時期などについて共有者間で合意する必要があります。

競売判決が想定される場合でも、訴訟中の和解によって任意売却を行うことがあります。

土地を現物で分割する

土地の形状、面積、接道状況などによっては、土地を分筆し、それぞれの共有者が単独所有する方法を検討できます。

ただし、分筆後の土地の価値、建築規制、既存建物の位置などにより、合理的な現物分割が難しいこともあります。

競売による分割

現物分割や共有者による取得が難しく、任意売却の合意もできない場合には、裁判所が競売による分割を命じることがあります。

競売判決が出ても直ちに売却されるわけではなく、別途、競売手続を申し立てる必要があります。

競売では当事者が売却条件を自由に決められず、時間や費用もかかるため、競売以外の解決が可能かを訴訟中にも検討します。

自宅に住み続けたい場合

自宅に住み続けたい場合には、自分が不動産を取得する方法を第一に検討します。

ただし、長期間居住していることだけで、当然に不動産を取得できるわけではありません。
次の事情を整理する必要があります。

  • 不動産の持分割合
  • 現在の居住・利用状況
  • 不動産を取得する必要性
  • 相手方へ支払う代償金の額
  • 代償金を支払う資力
  • 不動産の客観的な評価額
  • 他の共有者の希望
  • 取得によって共有者間の公平を害しないか

代償金を準備できない場合には、任意売却、転居までの猶予期間、分割払いその他の条件を含めて和解を検討することがあります。

共有持分買取業者から請求された場合

共有持分買取業者は、他の共有者から持分を取得した後、残りの共有者に対して、持分の売買、不動産全体の売却、共有物分割などを提案することがあります。

相手方が不動産業者であることだけを理由に、その請求が不当になるわけではありません。
一方で、業者が提示する価格や条件をそのまま受け入れる必要もありません。

次の点を確認します。

  • 業者が取得した持分割合
  • 持分の取得時期と取得経緯
  • 不動産全体の市場価格
  • 業者が提示する買取価格の算定根拠
  • 自分が不動産を取得する場合の代償金
  • 任意売却をした場合に見込まれる金額
  • 訴訟や競売に進んだ場合の費用と期間

感情的に拒絶するのではなく、各選択肢の経済的な結果を比較したうえで交渉することが重要です。

不動産の評価をどのように判断するか

共有物分割では、不動産の評価額が取得代金や売却条件に大きく影響します。

固定資産税評価額、相続税評価額、不動産会社の査定額、不動産鑑定士の鑑定評価額は、それぞれ目的と算定方法が異なります。
相手方が示した一つの金額だけで判断すべきではありません。

必要に応じて、複数の不動産会社による査定、不動産鑑定士の意見、裁判所による鑑定などを検討します。

もっとも、鑑定には相応の費用と時間がかかるため、争っている価格差との均衡を考えて実施するかを判断します。

東京渋谷法律事務所の被告側対応

期限と訴訟状況を確認します

裁判所から届いた訴状、証拠、期日呼出状などを確認し、答弁書の提出期限、相手方の請求内容、現在の手続状況を整理します。

依頼者の希望と実現条件を整理します

不動産を取得したいのか、売却したいのか、一定期間住み続けたいのか、持分を現金化したいのかを確認します。

そのうえで、資力、不動産評価、共有者の意向などから、希望する解決に必要な条件とリスクをご説明します。

交渉・調停・訴訟に対応します

相手方やその代理人との交渉、共有物分割調停、共有物分割訴訟に代理人として対応します。

訴訟中も、不動産の取得、持分売買、任意売却などによる和解が可能かを検討します。

他の専門家と連携します

不動産評価、売却、登記、測量などが必要な場合には、不動産会社、不動産鑑定士、司法書士、土地家屋調査士などと連携します。

ご相談から解決までの流れ

  1. 法律相談のお申し込み
    裁判所や相手方から届いた書類をお手元に用意し、お電話またはお問い合わせフォームからご予約ください。
  2. 書類と期限の確認
    訴状、調停申立書、通知書、登記事項証明書などを確認し、対応期限と争点を整理します。
  3. ご希望と解決方法の検討
    不動産の取得、持分売却、任意売却、現物分割などの選択肢を比較します。
  4. 答弁書等の提出
    訴訟の場合には、相手方の主張に対する認否と、被告側の希望する解決方法を記載した書面を提出します。
  5. 交渉・調停・訴訟対応
    不動産評価や資力に関する資料を提出し、相手方および裁判所と協議します。
  6. 和解・判決・その後の手続
    解決内容に応じて、代償金の支払い、持分移転登記、任意売却、明渡しなどを進めます。

法律相談の際にお持ちいただきたい資料

  • 裁判所から届いた訴状・調停申立書・期日呼出状
  • 相手方弁護士や不動産業者から届いた通知書・提案書
  • 不動産の登記事項証明書
  • 固定資産税の納税通知書・課税明細書
  • 不動産会社の査定書
  • 共有者と持分割合が分かる資料
  • 住宅ローンや抵当権に関する資料
  • 不動産の取得資金・代償金の準備状況が分かる資料
  • 共有者とのメール、手紙、LINEなどのやり取り
  • 賃貸借契約書など、不動産の利用状況が分かる資料

資料がすべてそろっていなくても相談は可能です。
裁判所から届いた書類については、封筒を含めて一式お持ちください。

初回無料相談のご案内

共有物分割請求を受けた被告・相手方からの法律相談は、初回無料で実施しています。

裁判所から書類が届いた場合は、提出期限や期日があります。
相談申込みの際に、書類が届いていることと、第1回期日の日付をお知らせください。

相談予約電話:0120-777-811


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共有状態を解消したい方へ

ご自身から共有物分割を求めたい方、他の共有者に持分買取りや不動産全体の売却を提案したい方は、共有物分割の総合ページをご覧ください。


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解決事例について

共有物分割事件では、不動産の所在地、持分割合、利用状況、当事者の資力、共有者間の関係などにより、適切な解決方法が異なります。

当事務所が取り扱った事例をご紹介する場合には、守秘義務に配慮して事実関係を一部変更または抽象化しています。
また、過去の事例と同様の結果を保証するものではありません。


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東京渋谷法律事務所について

東京渋谷法律事務所は、東京都渋谷区渋谷に所在する法律事務所です。
共有物分割請求、不動産紛争、相続、企業法務などの法律問題に対応しています。

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代表弁護士 日向一仁(東京弁護士会所属)